物語
NO JOB.
NO MONEY.
NO FUTURE?
秋葉原無差別殺傷事件から10年近く。
事件で母親を殺された地下アイドル、家出して秋葉原で生きていこうとする女子高生、怒りを秋葉原にぶつけようとする配達員。秋葉原を通して現代の日本が浮き彫りになる。
母親を8年前の秋葉原無差別殺傷事件で亡くした桜田美沙。美沙に父はやり場のない怒りから手を挙げる。
美沙は、秋葉原の地下アイドル活動に励む一方で、所属事務所が経営するJKリフレ店で働いていた。秋葉原でアイドルとして光輝くことによって、亡くなった母親にもう一度会えるのではないかと信じ、それが唯一の希望として生きる美沙。しかし、先が見えない生活に限界を感じた彼女に、やり場の無い怒りが込み上げてくる…。
高校生の里恵は父と祖父と3人で暮らしているが、母が父と離婚し家を出て行って以来、里恵は父とはほとんど会話をしておらず、里恵の生活はどんどん荒れていく。里恵の父は、秋葉原で美沙を偶然目撃し、娘の里恵と重ね合わせてしまったのか、地下アイドルのライブにのめり込む。そんな父に激しく反抗し交際相手とうまくいかない里恵も、秋葉原の街へ何かを求めて向かう…。
秋葉原の運送会社でバイトをしている大橋健はスナックに勤務している母親と二人暮らし。父親は2年前に家を突然飛び出して以来音信不通。母親の金銭トラブルに巻き込まれ健の人生の歯車が狂い始める。健は公衆電話から配達先に嫌がらせの電話をかけるが次第にエスカレートしていく。
絶望の中に生きる若者たちと大人たちが見たものとは…。
※秋葉原無差別殺傷事件とは
2008年6月8日、日曜日の昼食時間帯に、秋葉原で一般市民を巻き込んだ通り魔殺傷という重大事件。
17名がトラックではねられたり刺されたりするなどの被害を受け、その内、7名が死亡、10人が負傷(重軽傷)した。通り魔事件としては過去30年で最悪の事件とみられている。
2008年6月8日12時30分過ぎ、秋葉原(東京都千代田区外神田四丁目の神田明神通りと中央通りの交差点)で、元自動車工場派遣社員の加藤智大(犯行当時25歳)の運転する2トントラックが赤信号を無視して突入、青信号を横断中の歩行者5人をはねとばした。 交差点を過ぎて対向車線で信号待ちをしていたタクシーと接触して停車。周囲にいた人々は最初は交通事故だと思っていたが、トラックを運転していた加藤は車を降りた後、道路に倒れこむ被害者の救護にかけつけた通行人・警察官ら17人を所持していたダガーナイフで立て続けに殺傷。 さらに、奇声を上げながら周囲の通行人を次々に刺して逃走。武器を捨てるよう警告し、応じなければ拳銃を発砲するという警察官の通告に応じ、警察官に取り押さえられるまで、5 – 10分ほどの間の出来事だった。
加藤が心のよりどころとし、独自キャラをつくりあげていた携帯サイトの掲示板で、なりすましによる偽物が現れたために次第に孤立感を深めていった。6月8日5時21分、「秋葉原で人を殺します」とのタイトルで犯行予告、同日12時10分に犯行現場で最後の投稿をし、その20分後の12時30分に事件が発生した。 2015年2月17日、死刑確定。翌年5月に再審請求。現在も勾留中。
Wikipedia上では秋葉原通り魔事件、Akihabara Massacre。